コラム

管理者育成はなぜ必要?管理職の特徴と育成方法について解説!


企業には管理者が必ず存在して、その管理者を育成する方法を知りたい方も多いでしょう。

管理職に求められる能力や資質とは一体どのようなもので、どのように育成すれば良いのでしょうか?

この記事では、管理者育成について皆さんが知りたい疑問をわかりやすく解説していきます。

〈目次〉
1.管理職の種類
2.管理職に求められる6つの仕事
3.管理職に向いている人の4つの特徴
4.管理者の育成方法

1.管理職の種類

そもそも管理職とは、部門の売り上げ目標の管理や、部下のマネジメントをする役職のことを言います。

自部門にあるリソースを使い、与えられた売上目標を達成することが求められる職種です。

では、そんな管理者の種類とは一体どのようなものがあるのでしょうか?

①係長、チームリーダー、チーフ

管理職の種類として一般的には組織における最小集団を指揮する管理職を指します。

このポジションの管理職は、実務上の責任者である場合が多い役職です。

②課長、マネージャー

課長やマネージャーは2~3つチームやグループを管理する役職です。

会社の規模によっては労働基準法上の管理監督者と扱われることもあります。

このポジションの管理職は、部門の意思決定にある程度の影響力を持ちます。

③部長、ジェネラルマネージャー、ディレクター

部長やディレクターは2~3つの課を統括する役職です。

ほとんどの企業では管理監督者と扱われます。

このポジションの管理職は、関連部門の総責任者である場合が多く、経営上の意思決定にも大きな影響を持ちます。

役職や会社内での位置づけは、会社により異なりますが、自社の管理職の取扱いについては、人事資料や、職務分掌で確認することをオススメします。

2.管理職に求められる6つの仕事

管理者が管理職としての役割を全うするため、具体的にどのようなことを実践していけばよいのでしょうか?

では、管理職に求められる6つの仕事をそれぞれご紹介します。

①目標設定と業務の構想

管理職の役割は、組織の成果を出し続けることです。

ここで言う成果とは、例えば営業部門であれば、売上、粗利、市場シェアなどが挙げられます。

しかし、一口に売上といっても、金額なのか、成長率なのか、はたまた新規顧客の割合なのか…その切り口は自社の戦略によって変わってきます。

そのため、管理職がまず行うべき仕事は、具体的な目標を定めることです。

全社戦略・事業戦略を十分理解したうえで、自部門の成果を明確に定義します。

自身が管轄している組織の方向性を定めることで、一丸となって取り組めるようになるのです。

そして、自部門の成果を定義し具体的な目標を立てたら、次に取り組みたいのが、業務の構想です。

わかりやすく言うと、「成果を出すために、自部門にどのような機能が必要なのか」を考えるものです。

ただし、自部門のことだけを考えてはいけません。自部門にとってはよいことが、他部署にはネックになる可能性もあります。

管理職はそうならないように、会社全体を見る視野の広さが必要です。

その上で、各部署に必要な機能と適切な人材の配置を行うことが求められるのです。

②進捗管理とPDCAサイクル

組織内で行われる業務の進捗管理やPDCAサイクルの実行も管理職の大事な仕事です。

ポイントは、管理職自身が仮に人事異動で抜けたとしてもPDCAが回る仕組みをつくれるかどうかです。

具体的には、会議体の設計、KPIとそのレビュー方法の設計などが挙げられます。

管理職だけでPDCAを回していては他のメンバーが学習できず、「その人がいないと何もできない!」という事態が発生しかねません。

また、管理職が抜けた途端にPDCAが回らなくなってしまっては、組織の継続性も損なわれてしまいます。

最近は、内外の環境変化のスピードに合わせ、より迅速な意思決定が必要な場面が増加。変化が激しい場面では、PDCAに変わり、OODAループ(Observe観察、Orient状況判断、Decide意思決定、Act行動)と言われるサイクルも提唱されています。

計画を綿密に練ったうえで施策を計画通りに遂行していくことだけを正とせず、過程や手段論は変化に応じて変えていく柔軟さも必要です。

③既存の業務の見直し

既存の業務の見直しは、維持と変革の両面から見る必要があります。

現状維持とは、業務の標準化を行い軌道に乗せ、ミスやトラブルなく実行し続けられるように状態を整えることです。

しかし、内外部の環境は常に変化するため、一度標準化した業務がいつまでもうまく機能するとは限りません。

管理職が現場に近い立場であるほど、現状維持に力が働いてしまうためです。

したがって、管理職は常に「このままで大丈夫なのか?」と業務の在り方を見直す習慣を持ち、時にはゼロベースで業務構想をつくり直して新たな付加価値を生み出す、変革を行う勇気を持つことも必要です。

④理念や戦略の浸透

どれだけ優秀な人材が集まっても、目的を示すリーダーがいなければ組織として一つの方向を目指すのは困難です。

船頭多くして船山に上るというように、バラバラな方向に走るようでは、成果は上げられません。

そのため管理職には、経営層から提示された理念、ビジョン、戦略を現場の言葉に翻訳し、メンバーに伝わりやすい最適な方法で正しい行動を促すことが求められます。

また、人には自分の取り組みに意義や意味を見いだしたいという欲求心理があります。

自分たちの存在意義は何か、何を目指しているのか、達成したらどのようなメリットがあるのか、経営層が描いたビジョンを自分事として受け止めてもらうために、管理職が日頃からメンバーの関心事項を把握し、結びつけて伝えてあげることが大切です。

⑤仕事への動機づけと育成

メンバーに仕事を割り振る際は、必要とされる業務知識と本人のスキルや長所があっているかどうかを原則としましょう。

ですが、苦手な業務をこなすことで成長につながるという確信があるときは、あえて長所とは逆にアサインするケースもあります。

この場合、セーフティネットの確保が重要です。もし本人が全力を尽くしたにもかかわらず失敗してしまった場合、それをとがめたり仕事を外したりするのではなく、管理職が適切なフォローをする必要があるということです。

セーフティネットがあるからこそ、メンバーは安心して全力を尽くせます。

ビジネスにおいて人は7割を経験から学ぶと言われていますので、時には意図して挑戦の場をつくることが、メンバーの育成・成長につながります。

また、仕事のアサイン、メンバーの育成と切り離せない要素が、仕事の動機づけです。

メンバーのモチベーションはチームのパフォーマンスを左右するため、部下のモチベーションを高める動機づけは、管理職にとって大切な仕事なのです。

⑥チームビルディング

学習するチームをつくることも管理職の大切な役割です。

人は相互に刺激し合って成長し、相乗効果を生み出します。

そのため管理職には、メンバー間のやり取りが円滑になるような振る舞いを意識し、行動することが求められます。

まずは自身の限界を認め、メンバーの力を借りるスタンスを取ることが重要です。

職場の心理的安全を高めることで、メンバー同士が率直に意見を言い合える風土をつくり、次に責任と権限の線引きを明示しましょう。

仕事のうえで行って良いことと悪いことを明示したうえで、良い行動であればOKを出し、NG行動をとった場合には、責任を取らせます。

そして、全力を出したうえでの失敗は許容し、失敗から学ぶことをチームで実践して下さい。

そうすることで、一人ひとりのメンバーが貢献意識、当事者意識、責任感を持って、安心して仕事に臨める土壌をつくることができるのです。

このように、管理職は一般社員と果たすべき役割が違います。

管理職には責任や決裁権が伴い、常に経営視点に立った行動が求められます。

中でも最も重要な役割は組織の成果を持続的に出すことです。

役割からもわかるように、一般社員と管理職の最も大きな違いは、主軸が「個人」にあるか「組織」にあるかです。

個人のパフォーマンスを発揮して成果を出すことが評価される一般社員に対し、管理職はメンバーそれぞれのパフォーマンスを引き出して、組織としての総合的な成果を最大化することが評価につながるのです。

3.管理職に向いている人の4つの特徴

どのような人材が管理者に向いているのか知りたい方も多いと思います。

では、管理職に向いている人の4つの特徴ついてご紹介します。

①コミュニケーション能力がある人

管理職に向いている人の特徴としてまず第一にコミュニケーション能力が挙げられます。

部下のマネジメントや部署同士の折衝など、管理職は人対人のやり取りが多く発生します。

また、力不足の部下に対して、指導する場面もあるでしょう。

そこで必要なのが、コミュニケーション能力です。

しかし、単に「話しやすい人」なだけでは、管理職として足りません。

例えば、部下から相談を受けて話を聞いたとしましょう。同僚同士の相談なら、話して終わりかもしれません。ですが、管理職であれば相談された内容の解決まで考えて、改善のために動くことが必要です。

上司からの指示についても同様ですし、相手の期待や要望を汲み取って動けるかどうかまで求められます。

②情報を収集したり分析するのが得意な人

組織にとって必要な情報を集めて分析し、改善案を出して実行するのが得意な人は、管理職に向いていると言えるでしょう。

管理職は、現場で働く部下の生産性を向上させ、利益を出す役割があります。

そのため、どのような作業を行い、ボトルネックはどこかといった情報を集めて分析し、状況を常に改善させなければいけません。

市場で見るなら、自社のプロダクトに関するマーケット情報を集めて、より売れるようにするにはどうすればよいか考えていく必要があります。

ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった、本質を捉える思考法を身につけて、多数の情報から必要な分析結果を得られるようにしましょう。

③経営者視点で考えられる人

管理職には経営者視点が求められます。

経営者視点は、受け持っている部署や部下の仕事を、どのようにコントロールしていくかの指標となるためです。

また、現場からはなかなか上層部の考えは見えません。

そんな時に、管理職が「なぜ会社がそのような決定をしたのか」を部下に説明できないと、不安や不満が現場から出てきてしまうでしょう。

④メンタルや体力に自信がある人

管理職は責任者です。時には重責の中、決断を迫られますし、判断を誤ることもあるでしょう。

一般社員と比べて、決断を誤ったときのダメージは大きいものです。

そうした決断の場面で胆力を発揮し、部署を引っ張っていかなくてはいけません。

必然的に、メンタル面が強い人でないと、ストレスに負けてしまうおそれがあります。

また、仕事内容にはよりますが、自身の仕事と並行して、部下の仕事のチェックや他部署やクライアントとの打合せ等、多忙になります。

体力が無いと体が持たないので、普段からメンタルやフィジカルを鍛えておき、元気よく働ける体づくりが必要です。

4.管理者の育成方法

管理職を上手に育成する方法を解説します。

①仕事上の経験から育成する

管理職に求められる能力や資質を伸ばすためには、リーダーシップやマネジメント能力を発揮できる場や機会を増やすことが重要です。

管理職になる前に、プロジェクトのオーナーや、社内活動の責任者を任せることで、それらの能力を鍛えることが出来るでしょう。

また、そういった経験が自信に繋がり、管理職への抜擢を前向きなチャンスと捉える事が可能になるのです。

②先輩や上司からの助言やフィードバックから育成する

管理職に、管理職のあるべき姿を意識させるためには、他者から学ばせて育成することも有効な手段となります。

例えば社内で既に一定の成果を上げている管理職をメンターに付けたり、または一定期間その管理職の下で業務にあたらせるというのも良いでしょう。

管理職は一般社員と異なり、孤独になりがちです。同じ管理職の目線でフィードバックを得られる相手を見つけてあげることが成長に繋がります。

③研修やトレーニングから育成する

管理職向け研修やトレーニングには多くの種類があり、これらを実施することもスキルを習得して育成するうえで有効な手段です。

研修の内容を通して、会社が管理職に求めているスキルや役割を伝達することが出来ます。

また、複数部門から管理職を招集し一斉教育を行うことで、管理職同士の連携や関係性の形成に好影響を及ぼすことも出来ます。

また、管理者育成で悩みを抱えているなら、FYSがおすすめです!

人材育成のプロであるFYSなら、管理者育成に対して、具体的にどのような教育をすれば成功できるのか、解決することができます。

次期幹部育成、管理職育成、部下育成でお悩みの方はぜひ一度相談してみるのをおすすめします!

まとめ

この記事では、管理者育成について、「管理職の種類」「管理職に求められる6つの仕事」「管理職に向いている人の4つの特徴」「管理者の育成方法」の観点から解説しました。

管理者を育成するにはまず管理者について理解した上で、適切な育成をしていく必要があることがわかりました。

会社内に優秀な管理者が増えて、組織が拡大していくことを願っています。

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